アパレル販売員は何歳まで働ける?現在の働き方で続けるか迷ったときに考えたいこと

店頭に立っていて、ふと考えることはないでしょうか。
「私、このまま働き続けていていいのかな」
仕事には慣れてきた。
後輩に教えることも増えた。
それでも、周りを見ると正社員になった人や、別の仕事へ進んだ人もいる。
そんなときに気になってくるのが、
「アパレル販売員って、何歳まで働けるんだろう」
ということではないでしょうか。
この記事では、「何歳まで働けるのか」という疑問から、今の働き方をこのまま続けるのか、それとも何か変えるのかを考えるために知っておきたいことを整理します。
「何歳まで働けるか」は、どういう立場で働くかによります
まずは全体像から。アパレル業界の主な16職種を、カテゴリ別の早見表にまとめました。
気まず、検索してこられた問いにお答えします。
応募するとき、年齢で断られることは原則ありません
求人に年齢制限を設けることは、法律上原則として禁止されています。
パート、アルバイト、派遣など、雇用の形態を問わず適用されます。
厚生労働省の資料には、「若者向けの服を扱う店だから若い人に限定してよいのでは」という事業主の質問に対する回答も載っています。特定の年齢層を顧客とする場合であっても、年齢制限の例外にはあたらない。求人広告に業務内容を具体的に書けば足りる、という考え方です。
今のまま働き続けられるかは、立場によって変わります
一方で、この法律が定めているのは募集と採用のときの話です。
すでに働いている人が働き続けられることまでは、保証していません。
今の職場でいつまで働けるかは、雇用形態によって変わります。
| 立場 | いつまで働けるか |
| 正社員 | 定年まで(会社が定める年齢) |
| 契約社員・派遣 | 契約が更新されるかどうか |
| アルバイト・パート | シフトがどれだけ入るか |
正社員は一般的に期間の定めのない雇用ですが、契約社員やアルバイトやパートは、契約内容によって働ける期間や更新の有無が変わります。
そのため、長く働いているからといって、同じ条件で働き続けられるとは限りません。
つまり「何歳まで働けるか」は、年齢そのものではなく、雇用形態によって決まる部分が大きいということです。
では、今の雇用形態のままでいいのか。
そう考えたとき、「頑張っていれば、そのうち正社員になれるかもしれない」という気持ちが浮かぶこともあると思います。
ただ、その「そのうち」は、いつなのでしょうか。
待っていれば、正社員にしてもらえるのか
真面目に働いていれば、いつか評価される。
決して間違った考え方ではありません。実際に声をかけられた方もいらっしゃいます。
ただ、その可能性がどれくらいなのかは、知っておいたほうがいいと思います。
派遣の場合|決めるのは、店舗ではありません
直接雇用するかどうかを決めるのは、いつも接している店長や店舗ではありません。
派遣先の採用計画、正社員枠の有無、本部の承認、派遣元との契約内容。
複数の会社と部署が関わります。
つまり、店舗が「この人に残ってほしい」と思ってくれていても、誰かが動かなければ話は始まりません。
そしてあなたが希望していることを知らなければ、誰も動きません。
派遣会社の担当者に「正社員として働きたい」と伝えてありますか。
派遣先に直接雇用の可能性を聞いてもらったことはありますか。
伝えていないなら、まだ検討すらされていない可能性があります。
アルバイト・パートの場合|登用の枠は採用計画で決まります
アルバイト・パートの場合は、ご自身の働きぶりだけでは決まりません。
それは、店舗ごとに正社員を何人置くかは、店舗ではなく会社が決めていることがほとんどです。
すでに人員が埋まっていれば、いくら評価されていても正社員を増やす理由がありません。
登用の話が出るのは、誰かが異動や退職をしたときや、新しい店舗が出るときです。
つまり、待っていれば順番が回ってくるとは限りません。
シフトの融通が利くことを理由に、今の働き方を選んでいる方も多い職場です。
正社員になりたいことをそもそも伝えていなければ、現在の働き方に満足していると受け取られているだけです。
このまま非正社員でアパレル店員を続けると
1年後、2年後。今と同じ働き方を続けていたら、自分はどうなっているでしょうか。
接客経験は増え、後輩に教える立場になっているかもしれません。
自分を目当てに来店してくださるお客様も増えているかもしれません。
では、そのぶん働く立場や、この先の選択肢も変わっていくのでしょうか。
非正社員でアパレル店員を続けてると増えるもの
接客経験は、確実に積み上がります。
1年目と2年目では、お客様への対応の仕方も、任される場面も変わってくるはずです。
接客を重ねるなかで、指名で来てくださるお客様が増えることもあります。
これは、長く店頭に立ってきたからこそ築けるものです。
店舗を回す力もついてきます。
新人の指導、シフトの調整、トラブル対応。
こうした経験も、アパレル販売員として積み上げてきた大切なキャリアです。
経験が増えても、雇用形態は自然には変わりません
一方で、経験や任される仕事が増えたからといって、それだけで雇用形態が変わるわけではありません。
新人を教えるようになっても、売場を任されるようになっても、契約社員であれば契約更新があります。
アルバイトやパートであれば、シフトによって働く時間や収入が変わることもあります。
何年か働けば正社員になれる、という決まりがあるわけでもありません。
仕事の内容は入社した頃より変わっているのに、働く立場は変わっていない。
そうした状態になることもあります。
経験が増える一方で、選びにくくなる道もあります
経験を積めば、経験者として応募できる求人は増えていきます。
販売経験に加えて、新人教育や店舗運営に関わった経験があれば、店長候補など、これまでとは違う役割を目指せることもあります。
一方で、まったく別の職種へ未経験から挑戦する場合は、アパレルで積んだ経験をそのまま生かす転職とは考え方が変わります。
経験を重ねるほど、「何に挑戦したいか」だけではなく、「これまでの経験をどこで生かせるか」という視点も大切になってきます。
つまり、経験を重ねることで広がる選択肢がある一方で、未経験から挑戦する仕事については、以前とは選び方が変わってきます。
だからこそ大切なのは、「あと何年働けるか」だけを見ることではありません。
これまでに積み上げた経験を、この先どんな働き方につなげたいのか。
正社員になりたいと考えたとき、現在の職場で登用されるのを待つだけが選択肢ではありません。
正社員になる方法は、ひとつではありません
正社員になる方法は、大きく分けて3つあります。
① 今の職場で、直接雇用・登用してもらう
いちばん自然な形です。職場も人間関係も変わらず、仕事の内容も分かっています。
一方で、枠が空くかどうかは会社次第です。待つ期間が読めないという難しさがあります。
向いているのは:今の職場に不満がなく、登用の実績や条件がはっきりしている場合。
② 自分で正社員求人に応募する
求人サイトなどから、自分で探して応募する方法です。自分のペースで進められ、応募先も自由に選べます。
ただし、求人票から読み取れる情報には限りがあります。
実際のシフトの組まれ方、時短を使っている人がいるか、社販のルール。入ってみないと分からない部分が残ります。
向いているのは:希望する企業やブランドがはっきりしていて、条件も自分で判断できる場合。
③ 紹介会社を通す
アドバイザーが間に入り、求人の紹介から条件の交渉までを行う方法です。
求人票に載っていない情報を確認できること、条件交渉を任せられることが利点です。一方で、担当者との相性や、紹介される求人の幅は会社によって変わります。
向いているのは:自分の経験がどう評価されるか知りたい場合や、複数の選択肢を比べたい場合。
どれがいいかは、状況によって変わります
3つのうち、どれが正解ということはありません。
現在の職場の状況、販売経験の年数、希望する働き方、いつまでに動きたいか。条件によって、適した方法は変わります。
たとえば、現在の職場に登用の実績があるなら①を待つ意味があります。実績がなく、条件も示されないなら、②か③を並行して進めたほうが早いかもしれません。
そして、①を待ちながら②や③を進めることもできます。片方だけを選ぶ必要はありません。
続けるか動くか、判断する前に確認したいこと
正社員になる方法が分かっても、「すぐに動くべきなのか、それとももう少し待つべきなのか」で迷う方もいると思います。
判断するときは、次の3つを考えてみてください。
現在の職場に、登用や直接雇用の実績はあるか
登用制度があるだけではなく、実際に登用された人がいるか、どのような条件で正社員になれるのかまで確認してみてください。
「頑張っていればそのうち」ではなく、いつ頃、どのような条件を満たせば可能性があるのかが分かっているなら、現在の職場で待つという選択もしやすくなります。
反対に、実績がなく、条件や時期も分からないのであれば、待つ以外の方法も考えておいたほうがいいかもしれません。
あとどれくらいなら待てるか
正社員になれる可能性があったとしても、いつまで待つかは別の問題です。
半年なら待てるのか。
1年後も今と同じ立場だったらどう感じるのか。
会社から答えが出るまで待ち続けるのではなく、自分のなかでひとつの期限を決めておくと判断しやすくなります。
これまでの経験で、ほかにどんな選択肢があるか
今の職場だけを見ていると、「自分にはここしかない」と感じてしまうことがあります。
しかし、同じ販売経験でも、企業によって評価されるポイントは違います。
接客力を評価する会社もあれば、顧客づくりや新人教育、店舗運営の経験を求めている会社もあります。
実際に転職するかどうかは別として、これまでの経験でどんな求人を選べるのかを知っておくことは、現在の職場に残るかどうかを判断する材料にもなります。
よくある質問
Q1. アパレル販売員は何歳まで働けますか?
A. 求人に応募する場合、年齢を理由に対象から外されることは原則としてありません。求人での年齢制限は法律上禁止されており、衣料品販売に従事する方の平均年齢は43.6歳です。ただしこれは募集・採用の話で、現在の職場で契約が更新されるかどうかは会社の判断によります。
Q2. アルバイトから正社員になるには、何年くらいかかりますか?
A. 会社の登用制度によって大きく異なり、一律の目安はありません。確認していただきたいのは年数より、直近で登用された方がいるか、条件が明示されているか、ご自身の希望を伝えているかの3点です。
Q3. 派遣先から直接雇用されることはありますか?
A. あります。派遣元が、正当な理由なく、派遣終了後にその派遣先で働くことを禁止する契約を結ぶことは法律で制限されています。ただし、実際に直接雇用されるかどうかは、派遣先の採用計画や募集枠などによって決まります。
Q4. 正社員を希望していることは、伝えたほうがいいですか?
A. 伝えたほうがよいと考えています。シフトの融通を理由に今の働き方を選んでいる方も多い職場なので、伝えていなければ現状に満足していると受け取られます。契約更新や面談の場で、一言添えるだけで十分です。
Q5. 35歳を過ぎたら正社員には、なれませんか?
A. 35歳を過ぎたからといって、正社員になれないわけではありません。募集・採用での年齢制限は原則として禁止されています。ただし、長期的なキャリア形成を目的とした募集など、法律上認められた例外もあります。販売経験がある場合は、これまでの経験を生かせる求人も含めて探してみるとよいでしょう。
Q6. 正社員以外の立場で長く働いてきましたが、不利になりますか?
A. 面接で理由を聞かれることはありますが、答えを用意しておけば問題ありません。シフトの都合、家庭の事情、会社に登用制度がなかったなど、事実を整理して伝えられれば、経歴そのものがマイナスになることはありません。
まとめ
アパレル販売員は、年齢だけを理由に求人の対象から外れることは原則としてありません。
ただし、「何歳まで働けるか」を考えるときは、年齢だけではなく、今どのような雇用形態で働いているかを見ることも大切です。
経験を積めば、接客力や顧客づくり、店舗運営など、アパレル販売員としてのキャリアは積み上がっていきます。
一方で、長く働いているだけで雇用形態が自然に変わるわけではありません。
正社員を目指すのであれば、現在の職場で登用を待つだけでなく、自分で求人を探したり、紹介会社を利用したりする方法もあります。
大切なのは、「あと何年働けるか」だけではなく、今の経験をこの先どんな働き方につなげたいのかを考えることです。
