1. アパレル店員とは?

アパレル店員とは、ファッションブランド、ファッション雑貨店に勤め、ご来店いただいたお客様にコーディネートの提案や商品のご案内をし販売促進をするお仕事です。ブランドの世界観を守りながら、接客をすることが大切になってきます。

基本的には勤めるブランドの服を着用して働きます。
毎日服を扱うので、服好きにはたまらない仕事です。

アパレル店員が働く場所

アパレル店員の活躍の場は多岐にわたります。
働く場所によって客層や雰囲気、求められるスキルも異なります。

・デパート(百貨店):高級感のある接客が求められ、幅広い年齢層のお客様に対応
・ショッピングモール:ファミリー層が多く、カジュアルな雰囲気
・路面店:ブランドの世界観を強く表現できる、こだわりの接客
・アウトレット:価格重視のお客様が多く、効率的な接客が必要
・駅ビル、ファッションビル:通勤や通学客が多く、トレンドに敏感な客層
・セレクトショップ:複数ブランドを扱い、幅広い商品知識が必要

他職種との違い

アパレル店員は他の接客業と比べて、どのような特徴があるのでしょうか?

職種接客スタイル商品知識自由度接客のマニュアル
アパレル店員お客様に合わせた柔軟な接客ファッション・トレンド知識が必須高い(髪型・ネイル等)低い(アドリブ力重視)
コンビニ店員定型的・効率重視基本的な商品知識低い(制服着用)高い
カフェ店員フレンドリー・マニュアル型ドリンク・フードメニュー中程度中程度
事務職社内コミュニケーション中心業務システム知識低い(オフィスカジュアル)高い

アパレル店員の最大の特徴: マニュアル通りの接客よりも、お客様それぞれに合った柔軟性のある接客やアドリブ力が求められることです。例えば、同じ商品を紹介する場合でも、20代のお客様には「今季トレンドの○○スタイルに合わせやすい」と提案し、40代のお客様には「上品で着回しがきく定番アイテム」などと伝え方を変えることによって、お客様の購買威力を引き立てることが出来ます。

好きなブランドでその世界観を守りながら接客ができるのはアパレル店員に勤める醍醐味なので、ぜひアパレルの楽しさを知っていただけたらと思います。


2.アパレル店員の仕事内容とは(1日のスケジュール)

アパレル店員の仕事内容とは(1日のスケジュール)

3.アパレル店員の年収・給料は?

雇用形態別の年収・時給

アパレルは給料が高いとは言えません。
アパレルの店舗自体、店長以外全員アルバイト雇用ということも珍しくなく、中には店長という役職がついていてもアルバイト雇用であるという実態もあります。
しかし、それもブランドによるのでよく調べてから面接に挑みましょう。
アパレルの平均的な雇用形態別年収は以下の通りです。

アパレルの平均的な雇用形態別年収:

雇用形態給与(平均)年収(平均)
アルバイト・パート時給1,150~1,600円約240~340万円(フルタイム換算)
派遣社員時給1,400~1,900円約290~400万円
正社員(一般)月給19~26万円年収280~420万円
店長クラス月給26~36万円年収420~620万円
エリアマネージャー月給32~48万円年収520~750万円

ボーナス・昇給制度

ボーナス(賞与):
・大手企業:年2回、月給の1~3ヶ月分
・中小企業:年1~2回、または業績連動型
・なし(企業による)


昇給:
・年1回の定期昇給が一般的
・昇給率:3,000~10,000円/月
・役職昇進時の大幅昇給もあり

福利厚生としては社員割引制度(社販)があります。
割引率は10%〜50%と、かなりブランドによって差がでてきます。
大学生のアルバイトの方は社販が目当てでアパレルを始める方も多いです。
好きなブランドであれば、割引価格で商品が買えるのはアパレルに勤める最大のメリットかもしれません。

4.未経験からでもアパレル店員になれる?

アパレルは未経験者を多く受け入れています。
年齢制限は特にありませんが、ブランドのターゲット層によります。
20代をターゲットにしているブランドに40代が入るのは厳しいですし、その逆も然りです。
アパレル店員は、比較的20代の若い方が多く、販売でスキルを積んでから、バイヤーや本社の方で勤務する場合も多くあります。

特別な資格はいりません。高卒以上が条件であることが多いので、フリーターの方にも向いています。
大手チェーンであれば、接客のマニュアルや研修はしっかりしているので、未経験でも安心して仕事が始められます。

5.アパレル店員に必要なスキル・向き不向きは?

アパレル店員はファッションセンスだけでなく、総合的なスキルが求められます。
接客をする上では、コミュニケーション能力は大切になってきますが、それだけではなく、洞察力・観察力が必要です。
お店には毎日何十人とお客様がご来店されます。お客様がお店に入る目的はそれぞれ違うのに、マニュアル通りの接客だけでは中々売り上げに繋がりません。それぞれのお客様がどのような目的でご来店されているか、何をお求めなのかを会話の中で探してご提案をする必要があります。
また、スタッフ間の人間関係やコミュニケーションにも気を配れる、協調性が必要です。
個人ノルマがある店舗でも、スタッフ同士の情報共有やコミュニケーションは欠かさずに取りましょう。

全てのお店がこの特性がないと受からないというわけではないので、あまり過信しないようにしていただければと思います。

向いている人の特徴

〇 ファッションが大好きな人

向いている人の特徴としては、第一にファッションが大好きなことです。
お客様に様々なご提案や質問に対してお答えしなければならないので、ブランドの知識や素材についてもある程度の知識が必要です。ファッションが好きな方は、その点を自然に覚えられると思うのでお仕事も長く続きやすい傾向にあります。

〇 積極的にコミュニケーションが取れる人

次に積極的にコミュニケーションを取れる方です。
接客業になりますので、どれだけブランドへの愛があってもお客様に積極的にお話にいくことができなければ、売上には繋がりません。積極的にコミュニケーションが取れる方は向いていると言えます。

〇 柔軟な対応ができる人

最後は柔軟な対応ができる方です。
アパレルのお仕事はマニュアル通りの接客というよりは会話をしながら商品の魅力を伝えるお仕事になりますので、柔軟な対応が必要になってきます。
また、クレーム対応もしなければならないのでその点においても柔軟性は活きてくるスキルです。

向いていない人の特徴

✕ ファッションに興味がない人

ファッションが好きではない方、自分の好みとは真逆のブランドでの勤務は向いていません。
アパレルに勤める以上、服は買わなければならないので、ファッションがそもそも好きではなかったり、全く興味のないブランドだと、お仕事も楽しくなくなってしまいます。

✕ 人との接触を避けたい人

接客業のため、一日中人と話すことになります。一人で黙々と作業したい方には向いていません。

✕ 体力に自信がない人

立ち仕事で、1日8時間以上立ちっぱなしになることも。体力的にきついと感じる方もいます。

✕ 土日祝日に休みたい人

小売業のため、土日祝日は基本的に出勤となります。平日休みが中心になることを理解しておく必要があります。

適性チェックリスト

以下の項目にいくつ当てはまるかチェックしてみましょう!

□ ファッションや洋服が好き
□ 人と話すことが苦にならない
□ 相手の気持ちを察するのが得意
□ 立ち仕事でも大丈夫
□ 土日祝日の出勤に抵抗がない
□ トレンドや流行に敏感
□ チームで働くのが好き
□ 目標達成にやりがいを感じる
□ 臨機応変な対応ができる
□ 笑顔で人と接することができる

判定:
8個以上:アパレル店員に非常に向いています!
5~7個:適性があります。挑戦してみる価値あり
3~4個:一部の適性あり。働きながら成長できるかも
2個以下:他の職種も検討してみましょう

アパレル店員のメリット・デメリットとは?

メリット

① 接客スキルが磨ける

メリットは接客スキルが磨けることです。
アパレル店員として培った接客力は、他業種でも活かせる汎用性の高いスキルです。

具体的に:
・コミュニケーション能力
・問題解決能力
・提案力・営業力
・クレーム対応力
・観察力・洞察力
これらのスキルは、将来的に営業職、カスタマーサポート、マーケティングなど様々な職種で役立ちます。

② 社員割引(社販)で好きな服が安く買える

社割(社販)制度があり、ブランドの商品が通常価格より安く購入できることです。
社割の割合はブランドによって異なりますが、10%~50%程度です。

③ 髪型・ネイル・ファッションが自由

ブランドの世界観に合っていれば、髪型やネイルなどは自由なのもファッション好きな方としては大変魅力的です。

自由度が高い点:

・髪色:明るい色、個性的なカラーもOK
・ネイル:デザイン自由(ブランドによる)
・ピアスやアクセサリー:おしゃれの一部として推奨
・メイク:トレンドメイクも試せる

一般企業の事務職では難しい、自己表現の自由度が高いのは大きな魅力です。

④ トレンドに敏感になれる

最新のファッショントレンドをいち早くキャッチでき、ファッションセンスが磨かれます。

⑤ 多様なキャリアパスがある

販売職からのキャリアアップの道が豊富です。
・店長やエリアマネージャー
・バイヤーやMD(マーチャンダイザー)
・プレスや広報
・EC運営
・商品企画

⑥ やりがいを感じやすい

お客様の「ありがとう」や笑顔が直接見られ、仕事の成果が実感しやすい点も大きな魅力です。
好きなブランドで好きなファッションをしながら働けるのはアパレル店員の最大のメリットだと思います。
ぜひご自身の好きなブランドに勤めてみてください。

デメリット

① 売上ノルマがある

アパレル店のほとんどは売上ノルマがあります。

ノルマの種類:
・個人ノルマ:一人ひとりに月間売上目標
・店舗ノルマ:店舗全体での売上目標
・チームノルマ:数名のチームでの目標

個人の売上ノルマがあるお店もあれば、店全体のノルマしかないお店もあるので、気になる場合は面接時に確認をしましょう。

ノルマのプレッシャー:
・達成できないとストレスになる
・競争が激しい環境になることも
・売れない時期のメンタル負担

② 服の購入が実質的に必須

アパレル店員は、自社のブランドの服を着用するので、社割はあるものの基本的には出勤用の服を自腹で買わなければなりません。
店頭にある服しか着用してはいけない店舗も多いので、勤める限りは定期的な購入は必須になってきます。

服代の実態:
・月2~5万円の出費が一般的
・シーズンごとの新作購入プレッシャー
・着回しを考えた購入が必要

③ 給与水準が低め

前述の通り、アパレル店員の平均年収は全職種平均より低めです。

④ 体力的にきつい

立ち仕事で1日8時間以上立ちっぱなしになることも多く、足腰への負担が大きいです。

⑤ 土日祝日が休みにくい

小売業のため、土日祝日やセール期間は繁忙期となり、休みが取りにくいです。

⑥ クレーム対応のストレス

理不尽なクレームや、対応が難しいお客様に遭遇することもあり、精神的なストレスになることがあります。

メリット・デメリット比較表

項目メリットデメリット
スキル接客力・提案力が身につくノルマのプレッシャー
金銭面社員割引で服が安く買える給与水準が低め、服代がかかる
自由度髪型・ネイル・ファッション自由土日祝日が休みにくい
やりがいお客様の笑顔、トレンドに敏感クレーム対応のストレス
キャリア多様なキャリアパス体力的な負担

アパレル店員になるには?

まずは気になるブランドの求人をチェックしましょう。
短期から長期、アルバイトや派遣から正社員まで様々な勤務形態があるので、しっかり下調べをした上で応募します。
アパレルに勤める上では、社販はしていかなくてはならないので、自身の好みや価格帯で絞り込むのもオススメです。
条件だけではわからないこともあると思うので、ぜひ、応募の前に店舗に行ってお店や店員さんの雰囲気を確認してみてくださいね。
有名なブランドや大手であれば、ネットで調べれば社割の割合が出てくる場合もありますが、情報の真偽はわからないので、あまり鵜呑みにせず参考程度にしてください。
応募をして、書類選考が通過すれば、いよいよ面接です。
接客業なので笑顔を忘れずに、面接時の服装は自由であることが多いので、応募先のブランドに沿った服装で挑むのが好ましいです。

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よくある質問Q&A

Q. 本当に未経験でも大丈夫?

A. 大丈夫です!アパレル店員として必要な資格は特になく、入社してからの研修で一から接客を学べます。

Q. 年齢制限はある?

A. 基本的に厳密な年齢制限はありませんが、ブランドのイメージや傾向に寄りますので、ご不安であれば一度面接の際に訊いてみてください。

Q.ノルマはきつい?

A.ノルマがきつい店舗や個人ノルマがある店舗もあります。しかし、大手や人気店舗はノルマがきつくない傾向にあるので、そういった店舗を選ぶのもひとつの選択肢です。

Q .副業やダブルワークは可能?

A.雇用形態や勤務先によります。副業を予定されている方は面接時に訊いてみてください。

まとめ

アパレル店員はお給料が高い仕事とは言えません。
割引はあるもののブランドの服も自分で買わなければならないので、貯金もしづらいのが現状です。
しかし、仕事とはお金ばかりではないかと思います。

仕事内容や人間関係、お給料のバランスは、どのバランスが心地よく感じるかは人それぞれです。
接客業にやりがいを感じ、自社ブランドへの愛があれば、あなたにとって天職になるのかもしれません。

本記事では、アパレル店員のメリットデメリット、向いている人向いていない人などに触れましたが、実際に適性があるかどうかは体験してみて判断をしてください。
不安であれば、期限が決まっているPOPUPストアでの勤務や短期の派遣などがオススメです。
まずは、気になるブランドの求人を調べるところから始めましょう。

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